万引きを絶対に防止する!被害を食い止めるための対策を徹底解説!

執筆者
WORKSTYLE SHIFT 編集部

2019.02.28

万引きを絶対に防止する!被害を食い止めるための対策を徹底解説!リスク回避

小売業では万引きの被害が原因で倒産する「万引き倒産」が発生するなど、万引きは決して無視できない事態となっています。店舗の売り上げに大きな影響を与える、万引き。どんなに対策をしても被害が後を絶たず、困惑している……という店舗も少なくありません。

とはいえ、従業員がどれだけ目を光らせていたとしても、注意力には限界がありますし、人手不足の業界ではそのような対応ができないのも事実。犯人が意図的にピークタイムを狙って犯行を行った場合、後に不明ロスが判明して万引きが原因と推測できる……そのような小売業者も多いでしょう。

そこで今回は、小売業・店舗経営者が行なうべき万引きへの有効な対策を解説します。

万引き被害は800億円以上!? データで見る、店舗の防犯対策

店舗の防犯対策

平成26年10月に発表された「第9回全国小売業万引被害実態調査」によれば、2013年に発生した万引きによる被害額は837億円とも言われています。

万引き犯は高齢者が多い

日本における万引き犯は、青少年や高齢者、外国人グループが多いとされていました。この中でも、万引き犯罪の認知件数が最も多いのが「高齢者」です。平成25年に発生した万引き犯罪における高齢者の割合(30.9%)は、青少年の割合(24.1%)を上回っています。

その動機としては「生活困窮」や「節約」といったものが挙げられる一方、女性高齢者の間では「ストレス発散」といった理由も挙げられています。これについては、「夫と死別した」、「子供が独立した」など、家族との関係が希薄になってしまったことから社会関係性が欠如し、その孤独感やストレスのはけ口として万引きに走るケースであると考えられています。

再犯率が多い万引き……しかし、対策していない店舗が7割

犯行が行われる場所は、スーパーやホームセンター、コンビニの順で多く、高齢者が万引きした商品の大半は、食品や酒です。被害金額は3,000円以下のケースが半数以上を占めており、万引きをした高齢者は「捕まるとは思わなかった」「払えば許される」など、万引きで捕まるリスクの認識が低いことも明らかになっています。

発生件数は年々上昇しており、決して無視できることではありません。さらに高齢者の万引き犯の多くは過去にも万引きで捕まったことがあり、再犯率も高いことがうかがえます。

しかし、「第11回 全国小売業万引被害実態調査」によれば、万引き防止策を特に行っていない店舗は413件(72.1%)、顔認証システムや不審動作を検知する機器の導入を検討していない店舗は457件(79.8%)と、万引きに対する危機意識が薄い状況となっています。

<出典:平成20年「犯罪白書」
<出典:平成26年「犯罪白書」
<出典:第9回「全国万引き犯罪防止機構 全国小売業万引被害実態調査」
<出典:第11回「全国万引き犯罪防止機構 全国小売業万引被害実態調査分析報告書」

後日逮捕が難しい万引きには、証拠が必要

後日逮捕には証拠が必要

徳島県徳島県の書店では、ある時から書籍が大量に万引きされる事態に見舞われていました。その際、万引きされたと思わしき本がネット出品されているのを書店員が気づいたことで検挙に至った ……という事例も発生しています。犯人の自宅からは70冊もの本が見つかりましたが、警察に相談した時点では「決定的な証拠がない」という理由で対応が遅れてしまっていたのです。

よく「万引きは現行犯でしか捕まらない」と言われていますが、これは「後日逮捕が難しい」という理由から転じて生まれた言葉です。

棚卸しによって商品の在庫数が合わないことが発覚し、防犯カメラから犯人を割り出して後日逮捕に至る……というケースは現行犯逮捕に比べると少ないでしょう。ただ、防犯カメラをはじめとする機器がなければ、証拠も残らず店舗は泣き寝入りするほかないとも言えます。

まずは防犯カメラを設置するのが基本! 万引き対策以外にもメリット多数。

防犯カメラ設置のメリット

万引きの予防に有効なのは、いかに盗まれない環境づくりをするか、です。実際に万引きが多発する店舗には死角が多いという共通点があります。万引き犯の多くが「未清算の商品を持ったまま死角に行き、鞄やポケットの中に商品を入れて立ち去る」という手口を取るため、死角が多い店舗は万引き被害のリスクが高くなります。

万引き犯の手口を考慮すると、万引き被害を減らすために効果的な対策は、店舗の死角を減らすことです。この時に最適なのが「防犯カメラ」です。

防犯カメラの有用性

では、防犯カメラを導入するとどのような効果が期待できるのでしょうか。大きくは下記の4つを挙げることができます。

●犯罪の抑止
●空き巣対策
●従業員の監視
●記録(証拠)を残すことができる

設置場所や機器の選定を事前に調査して防犯カメラを導入することで、万引き犯への抑止効果をもたらすほか、売り上げや商品の盗難を狙った空き巣への対策にもなります。

近年では防犯カメラの映像が鮮明になっているため、犯人を特定する証拠映像として記録できます。機種によっては来店者の顔を記録することも可能です。不審な動きを見せている人物を「要注意人物」としてブラックリストに登録すれば、来店時に従業員へ通知。通知を受けた従業員が要注意人物の挙動を監視すれば、犯行を未然に防止できます。

また、レジ付近に防犯カメラを設置すると、支払い時の事故やミス防止に役立ちます。預かり金やお釣りを映像として記録しておけば、売上データと実際の金額が合わない場合、原因の究明につながります。「金銭授受の際、誤った金額で処理してしまった」、「偽造された紙幣を来店者が使用していた」といったことが明らかになります。

防犯カメラのメリットが及ぶのは、来店者に対してだけではありません。従業員の勤務態度をチェックすることもできます。

最近では、従業員が店舗の金銭を不正に着服していたり、管理者の目の届かないところで商品を盗んでいたりというトラブルが続いています。そんな従業員の行動も、防犯カメラがあれば抑止が期待できます。防犯カメラがあることで「見られている」緊張感が生まれ、従業員の勤務態度の向上にもつながるでしょう。

防犯カメラの種類

防犯カメラは大きくネットワークカメラ(IPカメラ)とアナログカメラ(CCTVカメラ)に分かれます。ネットワークカメラは、LANケーブルや無線LANを使用して、デジタルデータで転送・保存をします。一方、アナログカメラはモニターを同軸ケーブルで接続してVHSやハードディスクに保存するのが一般的です。

設置コストや映像の鮮明さなど、それぞれにメリットとデメリットがあります。目的や店舗環境、設置場所によって検討するのがいいでしょう。

防犯カメラの設置ポイント

防犯カメラの有用性を最大限に発揮するためには、設置する箇所が非常に重要になります。店舗のレイアウトや目的にもよりますが、一箇所ではなく複数箇所に設置することでより効果は高くなるでしょう。下記のポイントを重視して設置箇所を検討してください。

●店舗の入口・出口付近
●レジ付近
●店舗の隅など死角になりやすい場所

防犯カメラの映像はどのくらい保存すべき?

映像の保存期間

防犯カメラを設置する際に同時に検討しておきたいのは、映像の保存期間です。
店舗では最低でも1週間、長くて1か月ほどの映像を保存することが望ましく、来店者の顔や動作を事細かに記録するためには、解像度の高い機種を選ぶことが重要です。24時間365日録画するケースもあり、カメラは解像度が高ければ高いほど容量が必要となりますので、同時に保存できる期間が短くなってしまいます。そのため、撮影したデータを保存しておく大容量ストレージを用意する必要が生じます。

防犯カメラの映像は、NVR(Network Video Recorder)というストレージによって保存されることが一般的でした。しかし、NVRを使った防犯カメラはコストが高いこともあり、導入がなかなか進んでいませんでした。しかし、同じく防犯カメラのストレージとして登場したのが、NAS(Network Attached Storage)です。NASはNVRよりも比較的コストが安く、冗長性が高いことからセキュリティ面でも優れています。

NASとクラウドストレージを徹底比較。法人利用で重視すべきポイント

これらのことを踏まえ、映像の保存期間と解像度に注目しながら、防犯カメラの選定を行ってみましょう。

明日からできる、その他の万引き対策

その他の防犯対策

防犯カメラの導入以外にも万引き対策がありますので、紹介します。

●店内レイアウトの見直し
今一度見直しておきたいのは、店内のレイアウト。死角が生じないように商品の陳列棚の設置場所を変えたり、小さな商品はレジ前に配置したりするだけでも効果が得られるでしょう。陳列棚を整理整頓しておくのも有効です。整理されていないとお客さまの印象が悪くなるのはもちろん、万引き犯に「防犯意識が低い」という心象を与えてしまいます。

●お客さまへの呼び掛け
万引きの防止策として、従業員が積極的にお客さまへの呼び掛けを徹底していきましょう。万引き犯の多くは、周囲を気にしながら商品を見ている、大きい鞄を持っている、店内をくまなく歩き回っている、同じ商品を複数持っている、といった特徴があります。そんな挙動不審な人を見たら「何かお探しでしょうか」と声を掛けたり、専用カゴを手渡したりすることを心掛けるのが重要です。

万引きの手口として「商品を試着室に持ち込み、タグを切って上着の下に着込む」ケースも少なくありません。試着室を利用する際には従業員へひと声掛けることをお願いし、持ち込む点数もあらかじめ制限を決めておけば、万引きの防止につながります。実際に警視庁が発表した「万引きに関する調査研究報告書」の「万引きを断念すること」という調査では、「店員からの声掛け」が最も万引きの防止に有効であることが明らかになっています。

●従業員の巡回
同時に、従業員は商品の点検や来店者の観察を兼ねて、積極的に店内を巡回しましょう。万引き犯は店員から意識を向けられている、顔を見られていると気づき、犯行を断念します。

●ポスターや店内放送
警察の巡回があることや防犯カメラで撮影していることをポスターで知らせることも大きな効果があります。店内で目が付きやすい位置に貼ることで犯罪抑止を期待することができます。また店内放送で「万引きは犯罪です。」の内容を放送するのも同様の効果があります。定期的に「我々は見ている」というポーズをアピールすることが大切になります。

身近なところからも、万引きを防止することは可能です。まずは、すぐにできる呼び掛けから始めてみましょう。

<出典:万引き関する有識者研究会「万引きの実態について」

万引きは犯罪!毅然とした姿勢で立ち向かおう。

万引き対策への姿勢

万引き犯は「買い取るから」「少額だから」という理由で警察に届けられなかった場合、大半が再犯に及ぶとされています。しかし、万引きは窃盗罪に問われる重大な犯罪です。そもそも万引きを発生させないためにも、店舗が毅然とした対応を行い、「万引きを許さない」という姿勢を見せていかなければいけません。

同時に防犯カメラなど機器による対策も行っていく必要があります。また、防犯カメラを設置していることを入店者に対して周知することで、抑止効果が高くなります。万引きを撲滅するためには1つの対策だけではなく、店舗全体でさまざまな対策に取り組んでいきましょう。