店舗レイアウトで売上アップ!顧客の行動分析と動線設計を!

執筆者
WORKSTYLE SHIFT 編集部

2019.02.28

店舗レイアウトで売上アップ!顧客の行動分析と動線設計を!売上アップ

小売・店舗での売上アップ対策には、さまざまなテクニックや手法が溢れています。広告やインターネットによる集客、スタッフのサービスや目玉商品の開発など実に多岐にわたりますが、店舗レイアウトや陳列も大事な要素の1つです。

レイアウトの変更には人員や時間がかかり、頻繁に変えると常連のお客さまの混乱を招くため、なかなか手を入れにくい課題ではありますが、ちょっとした工夫で売上を上げることも可能です。

今回は店舗レイアウトの基本的な考え方や効果的な陳列に加え、AIなどのツールを利用した分析法までを紹介します。

店舗レイアウトは売上に大きく影響する

売上に影響する店舗レイアウト

消費者の購買は「計画購買」と「非計画購買」の2つに分けることができます。計画購買は「もともと予定していた購買」であり、非計画購買は「予定していなかった購買」ですが、細かく分解するとさらに下記のようになります。

  購買の結果
購買 非購買
購買の予定 あり 計画購買 購買中止
なし 非計画購買 非購買

インターネットの普及でECサイトの市場規模は年々拡大しています。ECサイトで購買する時は、ほとんどの方が検索機能を使用して、比較・検討を行います。検索段階ですでに欲しいものを予定しているため、こういったケースでは「計画購買」と言えます。

一方で、実店舗で購買する層は、約7〜8割が「非計画購買」と言われています。いわゆる「衝動買い」は非計画購買の代表的なものです。店内POPを見て必要性に気づいたり、限定商品や割引、タイムサービスなどで必要性は強く感じていないにも関わらず購買したりするなど要因はいくつかに分類されますが、できるだけお客さまに長く滞在してもらい、多くの商品を目にしてもらうことで売上アップを期待することができます。実店舗の売上は店舗レイアウト、商品陳列、デザインに大きく左右されるのです。

店舗レイアウトと商品陳列の基本ルール

商品陳列の基本ルール

店舗レイアウトは、動線の計画を考えるのが基本となります。お客さまの非計画購買を促すには、滞在率をあげて多くの商品を見てもらう必要があります。その視点でレイアウトの基本的な考え方を解説します。

お客さまの滞在率をあげる動線

お客さまにできるだけ長くお店に滞在してもらうことが、結果的に売上アップにつながります。具体例として、入り口から壁沿いに逆L字型に商品を配置する方法です。店内の動線が単純すぎると目当ての商品だけを購買してお店を出てしまいます。動線上に什器を設置してお客さまの方向を変えさせるなどの工夫が必要です。一方でただただ複雑で移動がしづらく、どこになんの商品が分からない状態だと逆効果ですので、注意しましょう。

また従業員とお客さまの動線は別に考えましょう。お客さまの動線はできるだけ長くして多くの商品を目にしてもらう。従業員動線は、仕事の効率も考えシンプルにしましょう。

売れる場所を作る商品配置

商品のカテゴリや売上のバランス、お客さまの特性を考慮して商品の配置を行う必要があります。その際に基本的な考えとなるのがゾーンで分ける「ゾーニング」です。例えば、文房具店ではボールペンやサインペンなどの筆記具と手帳やメモ帳、ノートなどの紙製品は分けられていることがほとんどです。筆記具の売場では、さらにメーカーごとにゾーニングをするといった考え方で商品配置を進めていきます。この時にポイントとなるのは、売上高に応じて売場面積を決めていくことです。

またレジ付近、入り口付近などはお客さまがよく目にする場所なので、売りたい目玉商品を置くと効果的です。

商品陳列の基本的ポイント

次に商品陳列・ディスプレイの基本的な考え方を説明します。もっとも基本的なことは、見つけやすく、選びやすくということです。その上で、陳列棚のどこに置くかを検討することで商品の売上をある程度コントロールすることができます。

陳列でもっとも目に入りやすく、手に取りやすい位置は、しゃがんだり、背伸びしたりする必要がない高さである床下から約70〜150cmです。これを「ゴールデンライン(またはゴールデンゾーン)」と言います。ゴールデンラインでは陳列のなかでも売れ行きが集中するため、売りたい商品を効果的に訴求することができます。ゴールデンラインは、男性、女性、子どもによって高さが変動するため、ターゲットとなる対象に合わせて商品の高低を考えるとよいでしょう。

またゴールデンラインに陳列しない商品を強く訴求するにはインストアプロモーションを行うのが有効的です。POPがもっとも一般的ですが、最近ではお客さまの視認率を上げる効果が高く、より表現力が高いデジタルサイネージも増加しています。ともにお客さまの非計画購買を促すことが期待できます。

AIDMA(アイドマ)の法則を活用する

AIDMA(アイドマ)の法則

これまで見てきたレイアウトや陳列の考え方に加え、アメリカのローランド・ホールが提唱した消費者の心理プロセス「AIDMA(アイドマ)の法則」を活用するとより効果的です。

消費者が特定の商品を購買するまでのプロセスを分解すると、初めに「注意」を示し、次に「興味・関心」を持ちます。その後、「欲求」が起こり、「記憶」し、「行動(購買)」するという流れです。「AIDMA」は、広告・マーケティング業界では一般的に普及している考え方ですが、とにかく購買の第一歩は、お客さまに関心や興味を持ってもらうことから始まります。

レイアウトや陳列には、売りたい商品をどのようにお客さまに興味を持ってもらうか、という工夫が必要不可欠です。

顧客の行動分析・動線分析はどのようにするか?

行動分析・動線分析

では、お客さまの滞在率をあげるためにレイアウトや陳列に工夫をしたあと、実際に効果があったかどうかを検証するためにはどうしたらよいのでしょうか? 工夫したところでその成果が見えなくては意味がありません。

現在、AI、ICTテクノロジーの進化により購買行動を分析するサービスが多く提供されています。ネットワークカメラなどによって消費者の行動をデータ化、数値化できるサービスが一般的です。実際にどのような分析ができるのか、詳しく解説します。

レイアウト分析

来店したお客さまがどのような行動を取ったか、どの陳列棚に滞留し、購買率が高いかをデータ化できます。AとBの陳列ではどちらが効果的かを測定したり、店内POPでお客さまが足を止めたか、なども分析できたりするため、常にPDCAを回すことが可能です。

年代・性別ごとの分析

来店したお客さまを自動的に年代や性別にセグメントできます。例えば30代男性の客単価と購買点数などを抽出することができるので、主力となる客層の傾向の把握が可能。効率よく商品を展開することができます。

来店率の計測

店内だけでなく、お店の入り口にカメラを設置することで来店率の計測も可能となります。店内外に設置することで、通行人数から来客数、購買率までを可視化できるようになるため、例えば店内での購買率は高いのに、来客数は多くない、という課題が分かれば、店頭に看板やデジタルサイネージを設置するなどの対策を打つことができます。またこのようなカメラは防犯・監視カメラにも使用できるので、1台2役の活躍をしてくれるでしょう。

万引きなどの疑いがある要注意人物の特定

万引きなど防犯上問題があるお客さまを特定することができます。一度、記録されたお客さまが再度来店した際に通知するサービスでは、万引き防止や不明ロスの削減にも期待ができます。

行動分析・動線分析のサービスはカメラを介して分析をするため、防犯・監視カメラの機能がついているとより効果的です。お店の業態にもよりますが、多様な機能がついているので導入コストはもちろん、実際に使いこなせるかどうかも含め導入後のオペレーションや操作性を重視するとよいでしょう。

まとめ

店舗のレイアウトや陳列をひと工夫することで売上を大きく向上させることができます。効果的なレイアウトをするためには、経験や知識も必要ですが、課題の抽出や分析なども欠かせません。さらに仮説で終わらせるのではなく、検証と改善もセットで行わないと意味のないものになってしまいます。

今回は店舗の売上向上のためのレイアウトや陳列を紹介しました。より実践的に取り組みたいと考えてらっしゃる方は、行動分析・動線分析サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。